ひとりで編集・取材・撮影をする

ひとりで編集・取材・撮影をする

取材は、編集の仕事の一つです。

ライターやカメラマンと同行することもあれば、編集者が自分で写真を撮り、取材をもとに文章に起こす、つまり一人二役こなすこともあります(本来の編集業務を加えれば、一人三役ですね)。写真はカメラマンにお願いした方がもちろんいいのですが、最近は性能のいいデジタルカメラが安く手に入ることから、小さい写真であれば編集者やライターが自分で撮影することも多くなっています。やり方は人によってさまざまですが、今回は私が行っている雑誌取材の流れをご紹介したいと思います。

取材者としての最低限の心得

現在担当させていただいている月刊誌の案件に、A4サイズ見開きで、飲食店を中心に6件ほどの店舗やスポット情報を掲載するページがあります。

写真やテキストをはじめ、どういうスポットを取材するのかも編集者である自分が選び出し、アポイントメントを取り付けます。ここで、まず大切なことは、取材先の皆さんには本業のお仕事があるので、その合間にご厚意で時間を作っていただいているのを忘れてはいけないということです。当たり前のことですが、重要なことなので毎回意識しています。例えば、アポイントを取るタイミングは先方の手が空く時間帯にします。飲食店であればランチ営業終了後の14時~15時頃がいいと思います。

取材についても、営業時間中に対応いただくことがほとんどなので、相手の負担や営業の邪魔にならないよう端的に、かつポイントをきっちり押さえることが重要です。

取材の成否を大きく左右する事前準備

前述の月刊誌のケースでは、1スポットあたり写真が1~3枚、テキストが200文字強ほどなので、私の場合写真撮影も含めて約30分で取材を終えられるように心がけています。

img_7205b上記のような誌面の構成を設計したうえで、取材に挑みます。誌面の企画・構成やクライアントとの調整は、編集者として一番大切な仕事です。
そのために、事前準備は欠かせません。飲食店取材の場合は、たいてい店おのおすすめ料理1~2品を中心に掲載するため、どの料理を撮影するのかを事前に相談させてもらい、どういう風に撮影するか、参考写真を集めて想定しておきます。

お店についても、あらかじめ調べられる部分は調べて質問事項をノートにまとめておき、それを軸にして話を広げていくようにします。

正直な話、聞き足りないところは後からお電話等で尋ねることが可能ですが(相手を再度煩わせることになるのでもちろん極力ない方が良いのですが…)、写真の場合は撮り直すとなると再度訪問の時間を作ってもらい、料理等も作りなおしてもらわないといけません。そうならないように現場では、細心の注意を払い確実に掲載できる写真を撮るようにします。これはカメラマン同伴でディレクションしている場合も同じで、

・ピントの位置は合っているか(手前に合わせて後ろをぼかす・できるだけ全体にピントを合わせるなど)

・料理:配置、向きは間違えていないか、盛り付けは乱れていないか

・人物:表情は明るいか、髪が顔にかかっていないか、服装の乱れはないか

などをその場でチェックしておくのも編集の仕事です。可能であればお店の人にもその場で一度確認しておいてもらうとスムーズです。

img_0446 こちらは私が撮影した写真。手前にピントを合わせたり、バックにものを配置するなどして、奥行きが出るように撮影すると、食べ物本体にも立体感がでてきて美味しそうに見えますよ。

相手からスルスルと話を引き出すコツ

飲食店取材の場合、字数内でいかにお店の良さを伝え、訪れてみたいと読者に思わせるかに尽きると思います。そのためには、お店ならではの情報が欠かせません。派手なセールスポイントがあるお店もあれば、一見するだけではわからない魅力が奥に隠れているお店もあります。インタビューでは、そんなお店の魅力を伝えられるようなタネをたくさん拾うと同時に、基本情報も押さえる質問を心がけます。だいたい私が事前に準備している質問は以下のような形です。

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あくまで事前に準備する質問なので、話しているうちに面白そうな情報を引き出せれば、それを中心に話を広げていきます。

上記の質問をする上で私が気を付けていることは、決して知ったかぶりをしないということです。もちろん事前に下調べをして、ある程度お店の情報や料理について把握はしていますが、相手はその分野のプロなので、「教えてもらう」という姿勢が一番いいと思っています。例え知っていることでも、初めて聞くかのように深くうなずきながら聞いていると、相手の方もテンポよく話を展開してくれます。良い質問をすることと同じくらい(もしかするとそれ以上に?)、聞いている態度は大切だと思います。

また、実際に仕事をしている人から話を聞くと、また別の臨場感や現場ならではの印象が生まれることがあります。同じように、試食させてもらえる時は、自分が感じた印象を大切にするようにしています。

時には図々しさも必要

新人時代、初めて先輩の店舗取材に同行した時、お店側に遠慮をして大事な情報を引き出せなかったことがあります。怒涛のように料理が出てきて、それに撮影指示を出して、料理人さんも忙しそうで、店長さんはお客さんの相手をしていて…という中で、口を挟む勇気が出なかったのです。そんな状況でも先輩は、今出てきた料理は何か?どういう製法か?材料は?値段は?こだわりは?…といっそしつこいほど一つひとつに対して質問を繰り出していました。

いくらお店の邪魔をしてはいけないといっても、取材をお願いして、受けていただいた以上は、お店の魅力をしっかりと引き出すことが使命です。そのために必要なことをもれなく聞いておかないと、ただ時間を浪費するだけになってしまいます。営業の邪魔をしないのは大前提ですが、時には空気を読まずに勢いよく切り込むことも大切です。

以上が、一編集者である私なりの雑誌取材の手順です。いまだに勉強の毎日ですが、いつも取材の後は、皆さんのご厚意の上に成り立っていることを実感します。大変なことも多いですが、さまざまな分野に触れ、知らなかった世界の片鱗を覗ける取材という仕事は楽しいものです。

そろそろ取材の時期がやってきます。今月も、気合を入れて行ってきます!(笑)

仲村 友樹

政治、ビジネス、文学、アート、自然まで色々なことに興味があります。むさぼるように読む本や雑誌からの知識でぼくは成り立っています。ただ、頭でっかちにならないように一応は気をつけているつもりです。
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